日本酒と聞くと、職人の技術や長い歴史を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、栃木県立鹿沼南高校の生徒たちが、そのイメージを一新する挑戦を成し遂げました。
高校生が自ら栽培した酒米を使って日本酒を作り、販売まで手掛けたプロジェクトが、大きな注目を集めています。
高校生の手で生まれた特別な日本酒
栃木県鹿沼市にある鹿沼南高校の作物部の3年生たちは、授業の一環として「日本酒づくり」に挑戦。
2025年1月21日、地元のスーパーで販売された初めての日本酒は、なんと100本が予約で完売!その人気を受け、早くも第2弾の製造が決定しました。
生徒たちが手掛けた日本酒は「鹿南錦(かなんにしき)」という名前。
学校名の「鹿南(かなん)」と酒米「山田錦」を組み合わせて名付けられました。
さらに、ラベルデザインやポップ、販売用の展示物まで、すべて生徒たちの手作りです。
鹿南錦の完成には地元企業や販売店の協力もあり、高校生と地域が一体となったプロジェクトとして注目されています。
酒米づくりから醸造までの道のり
プロジェクトは、生徒が2年生の時にスタートしました。
まず手掛けたのは酒米「山田錦」の栽培です。
この品種は粒が大きく、丈が高いため倒れやすいのが特徴。
生徒たちは猛暑の中、汗を流しながら除草作業を行い、細心の注意を払って育てました。
その後、小林醸造という地元の酒蔵の協力を得て、麹づくりから日本酒の仕込みまでを体験。
小林醸造の小林一三社長は「高校生の活動に光を当て、20歳になった時に初めて飲むお酒として思い出に残るものにしたい」と、この企画を提案したそうです。
生徒たちの想いが詰まった一本
完成した日本酒は、生徒たちにとっても特別なもの。
現在未成年のため、実際に味わえるのは20歳になった時ですが、すでに期待は高まっています。
作物部の早乙女くららさんは「ピンクが大好きなので、ラベルにその色を取り入れてもらいました。将来、この日本酒をどんな料理と合わせるか楽しみです」と笑顔を見せました。
担当の松下範子教諭は「生徒たちの頑張りと地元の皆様のご支援のおかげで素晴らしい経験ができました」と感慨深げに話します。
地域とともに未来を描くプロジェクト
この取り組みは、日本酒づくりを通じて地域と高校生がつながる素晴らしいモデルケースです。
若い世代が地域資源を活用しながら新しい価値を生み出す姿は、多くの人に希望を与えました。
第2弾の製造が決まった「鹿南錦」が、さらにどのような進化を遂げるのか。
生徒たちが20歳になり、初めて自分たちが作った日本酒を味わう日が待ち遠しいですね!
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