あの日を忘れない――30年の時を超えて生まれた特別な一杯
1995年1月17日、兵庫県南部を襲った阪神・淡路大震災。
街は崩れ、人々は家族や仲間を失い、日常は一変しました。
しかし、絶望の中にも希望の灯は消えませんでした。
被災地の復興は時間をかけ、未来を見据えた新しい物語を紡いできました。
そして震災から30年を迎える2025年、その象徴とも言える特別な日本酒が誕生します。
その名は、ヴィンテージ日本酒『現外(げんがい)』。
震災前に仕込まれ、30年間の熟成を経て、今ようやく人々の手に届けられるこの一杯は、2025年1月17日から先行予約販売が開始されます。
価格は286,000円(税込)で、4月7日までの期間限定となります。
『現外』――30年間の時を超えて
『現外』は、震災が起こる前の1995年に仕込まれた日本酒を、30年間にわたって熟成させた希少なヴィンテージ酒です。
震災当時、7棟あった木造の蔵がすべて倒壊する大きな被害を受けた神戸市の酒蔵で、奇跡的に残ったタンクに入っていた「酒母」から生まれました。
この『現外』は、2019年4月に24年熟成として初めて販売され、10本限定の予約販売分が驚異的な12時間で完売。
その価値は6年間で約90%上昇し、国際的にも高い評価を受けています。
フランスの品評会「Kura Master 2022」での金賞、イギリスの「International Wine Challenge(IWC)」での4年連続入賞、2024年にはゴールドメダル獲得という輝かしい実績を持っています。
この『現外』という名前には「過去、現在、未来を超えた存在」という意味が込められています。
震災の悲劇を忘れず、そこから得た教訓を未来へと活かしていく――その願いが、この日本酒の名前に表れています。
震災30年を未来に繋ぐプロジェクトの全貌
「SAKE HUNDRED」では年間を通じて、震災30年を未来へ繋ぐためのさまざまな企画を展開します。
2025年1月9日には神戸市で、神戸大学の学生記者 奥田百合子氏と沢の鶴株式会社 取締役 製造部部長 西向賞雄氏を招いたトークイベントを開催。
震災の記憶を次世代に伝える取り組みについて語り合いました。
また「神戸ルミナリエ」への協賛や、震災の記憶を「声」で100年先まで遺すプロジェクト「REC KOBE 1995」への参画、「大学コンソーシアムひょうご神戸」での活動など、多角的な取り組みを実施。
さらに『現外』を含む2024年1月からの売上の一部を、能登半島地震の被災地支援にも寄付しています。
30年の時が紡ぐ味わいの魅力
30年間熟成された『現外』は、通常の日本酒とは一線を画す独特の風味を持っています。
震災後、熟成による味わいの変化に一縷の望みを託し、熟成庫で眠りにつくこと数十年。
その間に、造り手すら想像しなかった味わいへと変化を遂げました。
その色合いは、長い年月を感じさせるアンバー色の風格を持ち、グラスに注ぐと深みのある色彩が輝きます。
香りを鼻に近づけると、熟成された濃厚で複雑な香りが立ち上り、ほのかな甘さと奥行きを感じます。
口に含むと、甘味・酸味・苦味・旨味が一体となった凝縮感のある味わいが広がります。
まるで30年の物語を紐解くような、透明感すら覚える上質な体験が、口づけから余韻が消えるまで続きます。
震災を未来へ繋ぐ――『現外』が持つメッセージ
震災から30年が経過した今、記憶を風化させないことが重要です。
兵庫県の「阪神・淡路大震災30年事業」では「忘れない」「伝える」「活かす」「備える」に加え「繋ぐ」という新たな理念が加えられました。
また、神戸市は「BE KOBE」に「震災30年を未来につなぐ-持続可能なグローバル貢献都市へ-」というメッセージを付加。
『現外』は、これらの思いに共感し、震災の記憶と教訓を次世代に伝える架け橋となることを目指しています。
「過去を知り、今を味わい、未来を想像する」。
そんな新たな文化が『現外』を通じて生まれることを期待しています。
まとめ:歴史の重みを感じる一杯を未来へ
ヴィンテージ日本酒『現外』は、30年という歳月を超え、過去と未来を繋ぐ特別な一杯です。
2025年1月17日からの先行予約販売(4月7日まで)を皮切りに、4月8日からは会員限定で通常販売が開始されます。
シリアルナンバーと熟成年数、品質保証を付与したメタリックのギャランティーカードとともにお届けされる『現外』は、二度と同じものを再現することができない唯一無二の存在です。
この奇跡の一本には、震災を乗り越え、厳しい環境下でも日本酒の可能性を信じ続けた「人間の意志」が宿っています。
未来へ続く希望の架け橋となるこの特別な一杯を、ぜひ味わってください。
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