ある夕暮れ、ふと吹き抜ける風に「あ、秋が来るな」と気づいたことはありませんか?
まだ蝉の声が残るなか、夕焼けが少しだけ深く染まり、空気がどこかやわらかくなる—そんな瞬間に、季節は静かに移ろいを始めます。
そんな”秋の始まり”を、グラスの中で味わえるお酒があります。
それが、江戸時代から愛されてきた「白雪」ブランドが手がける、2025 年8月29日発売の「白雪純米ひやおろし」です。
この記事では「ひやおろし」ってなに? という疑問から、その魅力、楽しみ方まで、やさしく、そしてちょっぴり情緒を込めてご紹介します。
「ひやおろし」は、時間が育てた”秋の記憶”
「ひやおろし」という言葉、なんとなく涼しげで、でもどこか懐かしい響きがありませんか?
実はこれ、日本酒の世界で”秋にだけ”出会える特別なお酒なんです。
冬の間に仕込まれたお酒は、春先に一度だけ火入れ(加熱処理)をされ、そのまま冷ややかな蔵の中で静かに眠りにつきます。
火を入れすぎず、手を加えすぎず、酒蔵の職人たちはただ、自然の力と時間にすべてを委ねます。
そして、夏を越えた頃—つまり秋になると、瓶詰めしてそのまま出荷される。
それが「ひやおろし」。
たとえるなら、春に漬けた梅酒が、秋にはまろやかな味わいになっているようなもの。
自然の巡りとともに”育った”その味には、どこか人肌のぬくもりのような優しさがあります。
江戸時代から 475 年続く、一本の誠実さ
今回ご紹介する「白雪純米ひやおろし」を手がけるのは、兵庫県伊丹市にある小西酒造。
今年で創業 475 年を迎えた、日本酒を造り続けてきた老舗中の老舗です。
この蔵が造る「白雪」は、名前の通り、すっと透明で雑味がなく、口当たりは柔らかく、雪のように静かに溶けていきます。
2025 年版の「ひやおろし」は、兵庫県産米を 100% 使用した純米酒。
夏の間じっくりと低温熟成されたことで、米の旨みがぎゅっと凝縮されています。
口に含むと、ふくよかでどこか懐かしい甘みが広がりつつも、後味には辛口の味わいが感じられる絶妙なバランス。
まるで、日が短くなっていく夕暮れの寂しさと、ふと心に灯るぬくもりが同居するような、そんな味わいです。
秋の食卓に、そっと寄り添う一杯
この「白雪純米ひやおろし」は、脂がのった秋刀魚、香ばしい焼きなす、秋鮭、しっとり炊いたきのこご飯—そんな秋の味覚たちと相性抜群。
たとえば、さんまの塩焼きにすだちを搾り、このお酒を一口。
焼き目の香ばしさとお酒の旨みが溶け合い、まるで詩のような余韻が残ります。
秋鮭のムニエルやきのこ鍋とも、辛口の味わいがしっかりした味付けと美しく調和します。
ラベルには秋の夜を鳴き彩る「スズムシ」を、POP シールには「銀杏」をあしらった風情あるデザインも魅力。
秋の夜長にしっとりとお酒をお楽しみいただけます。
「今だけの味」と、心に刻む小さな贅沢
日本酒の面白さは”同じ銘柄でも、季節で味が変わる”というところにあります。
だからこそ「ひやおろし」は、その年、その季節、その瞬間にしか出会えない一期一会の存在。
冷蔵庫でキンキンに冷やしてもいいし、常温でふんわり香りを感じてもいい。
飲む人の気分や暮らしに、やさしく寄り添ってくれるお酒なのです。
秋は、五感で味わう季節です
秋は、耳で虫の声を聴き、目で紅葉を楽しみ、鼻で香りを感じ、舌で旬の味を堪能する季節。
そして、心にふと立ち止まる”余白”が生まれる季節でもあります。
そんなときに「白雪純米ひやおろし」を傍らに置いてみてください。
それは、ただの日本酒ではなく、時間をかけて育てられた”季節そのもの”。
グラスの中に、夏の名残と秋の始まりが、そっと同居しているはずです。
今年の秋は、ひと口ごとに、季節を味わってみませんか?
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