― 信州・乗鞍高原で育まれた「雪原の華」の物語 ―
ある冬の朝、真っ白な雪に包まれた信州・乗鞍高原の大地に、そっと埋められた一本の酒瓶。
その時点で誰もまだ知らない。
数ヶ月後、雪解けとともにその瓶が”特別な存在”として姿を現すことになることを。
これは、ただの地酒の話ではありません。
これは、自然と人の知恵が織りなす”雪の中の熟成”という奇跡の物語です。
雪の中で眠る酒 ―「雪中埋蔵酒」って何?
まず、ちょっと想像してみてください。
お酒を冷蔵庫に入れて保存するのではなく、自然の冷蔵庫=雪の中に、何ヶ月もそっと埋めておくという方法があるなんて、驚きませんか?
これは「雪中埋蔵酒(せっちゅうまいぞうしゅ)」と呼ばれる伝統的な貯蔵方法。
雪国ならではの知恵で、雪の冷たさと湿度が、酒の味をまろやかに、香り高く育ててくれるのです。
今年、長野県・乗鞍高原では例年にない大雪に恵まれ、その豊かな雪を活かして、特別な一本が静かに育てられてきました。
その名も――
雪原の華(せつげんのはな)
雪原で育まれた「華」――その正体とは?
「雪原の華」は、信州の地酒「純米吟醸酒・氷雪貯蔵 澤の花」を、休暇村乗鞍高原の敷地内にて雪中熟成させたオリジナル商品。
2025 年の1月に雪の中へと埋蔵され、いよいよ4月11日にその封印が解かれます。
ここでポイントなのが「熟成」ではなく「雪中熟成」。
普通のお酒と比べて、何が違うのでしょう?
- 温度変化が少なく、ストレスのない環境で熟成される
- 雪の持つ適度な湿度が、風味や香りを壊さず育ててくれる
- 雪に包まれて眠ることで、角が取れたまろやかな口当たりに
つまり「自然が醸す味わい」がそのまま詰まった、極上の一本というわけです。
なぜ今、この酒が”特別”なのか?
2025 年の冬、信州は記録的な大雪に見舞われました。
大変なことも多い冬でしたが、その雪があったからこそ「雪原の華」は例年以上にじっくりと、丁寧に育てられることになったのです。
“冬の厳しさ”が”春の喜び”に変わる。
これほど季節の移ろいを感じられるお酒が、他にあるでしょうか?
「掘り出しの日」は、春を祝う日。
4月11日、休暇村乗鞍高原では、この雪中埋蔵酒を掘り出すイベントが行われます。
まるで宝探しのように、雪の中から現れる酒瓶。
その瞬間を目にした人だけが感じる、時の重みと、自然への感謝。
このイベントに参加しなくても、宿泊者限定で購入できるチャンスもあります。
気になる方は、今から予約しておくのがおすすめです。
心に残る一杯を、雪解けとともに
私たちは、忙しい日々の中で季節の変化に気づかないことも多いものです。
けれど「雪原の華」は、冬の静けさと、春の訪れをそっと教えてくれる存在です。
ただのお酒ではない。
それは、自然と人の手仕事が生んだ、詩のような一杯。
今年の春、あなたの食卓にも、この”雪の贈りもの”を迎えてみませんか?
コメント