やさしい桜の香りに包まれて—旅の始まりに、特別な一杯を

空港での待ち時間、それは「旅」という物語の静かなプロローグ。

慌ただしく通過するセキュリティゲート、にぎやかなアナウンス、スーツケースの音。
そんな喧騒の中でも、心をすっと落ち着かせてくれる時間が、ほんのひとときだけ訪れることがあります。

もし、そんな時間に「春の風」のような一杯がそっと寄り添ってくれたら—。

それが、水口酒造の『仁喜多津(にきたつ) 純米吟醸酒さくらひめ酵母』です。

愛媛の伝統と、現代の感性が出会って生まれたこの日本酒が、2025 年10月から 2026 年3月までの6か月間、大阪国際(伊丹)空港のJAL国内線ダイヤモンド・プレミアラウンジで提供されることになりました。

空港で出会う、春のやさしさ

このお酒の魅力は、なんといっても「さくらひめ酵母」。

愛媛県で生まれたデルフィニウム「さくらひめ」の花から抽出された酵母を使用して仕込まれた、全国でも珍しい日本酒です。
その香りは、ほんのり甘く、ふわっと鼻をくすぐる華やかな余韻。

ひと口含めば、まるで満開の花の下、静かに深呼吸するような感覚に包まれます。

例えるなら「春の光を纏ったシルクのような舌ざわり」。

ビジネス出張で緊張した心にも、家族旅行の高揚感にも、やさしく寄り添ってくれる、そんな包容力のある味わいです。

『仁喜多津』という名前には「仁=思いやり」「喜=喜び」「多=たくさん」「津=港」という意味が込められています。

つまり「思いやりと喜びがたくさん集まる港」。

酒造のある松山市道後喜多町は、古くから人と人とをつなぐ「港」として栄えた場所。

この日本酒にも、そうした「人と人の出会い」「心の往来」を大切にする精神が流れています。

空港という現代の「港」で、この酒が旅人の心にそっと灯りをともす—そんな未来を思い描かずにはいられません。

水口酒造は、ただの老舗酒蔵ではありません。

1895 年(明治28年)創業、130 年以上の歴史を持ちながらも、伝統に縛られず、地域資源を活かした酒造りに挑み続けています。
松山・道後地区唯一の造り酒屋として、道後温泉本館と共に歩んできました。

たとえば、この「さくらひめ酵母」。
デルフィニウムの花から酵母を取り出し、日本酒へと昇華させる—まさに「科学と感性」の融合です。

それは、クラシック音楽の楽譜に、ジャズの即興を織り交ぜるような柔軟さと創造力。

「古くて新しい」という、矛盾のようで魅力的な響きが、この一杯に詰まっています。

大阪国際(伊丹)空港のJALダイヤモンド・プレミアラウンジでは、忙しい日常から一歩距離を置いた、静謐な空間が広がっています。

ここでこの日本酒を手にすると、ただ「飲む」以上の時間が訪れます。

たとえば、家族を思いながらグラスを傾けるビジネスマン。
たとえば、旅の始まりに胸を躍らせる学生カップル。

その誰にとっても、この一杯は「ちいさな区切り」としての役割を果たすでしょう。

「いま、この瞬間が特別だった」と、いつか思い出すきっかけになるかもしれません。

旅は、出発の前から始まっています。

空港で過ごすひととき、その時感じた風、香り、味、空気感—それらが、旅の「記憶のスイッチ」になることもあるのです。

『仁喜多津純米吟醸酒さくらひめ酵母』は、そうした記憶にそっと寄り添う日本酒です。

ただの一杯ではありません。
旅に「余白」をくれる一杯。

ぜひ次の旅では、このやさしい花の香りとともに、新しい物語をはじめてみてください。

あなたの旅が、もっとやさしく、もっと深く、そして心に残るものになりますように。