「お酒って、味だけじゃないんですね」
ある夜、友人にすすめられて口にした一杯の日本酒。
その瞬間、ふわっと鼻に抜ける香りと、まろやかで深みのある味わいに、思わず言葉を失いました。
「これは、なんてやさしいお酒なんだろう」
それが、加賀鳶(かがとび)との出会いでした。
日本酒ファンにはたまらない、特別なニュースが届きました。
加賀鳶の最高峰シリーズ「いかづち」から、新たに2つのプレミアム酒が登場したのです。
しかも今年は、福光屋が創業400周年という節目の年。
まるで、歴史の重みと未来への挑戦が一本に込められたような、特別なリリースです。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、心に響く「いかづち」新作の魅力を、やさしく丁寧にご紹介します。
加賀鳶とは? “粋”を極めた男酒の名門
加賀鳶(かがとび)は、石川県金沢市の老舗酒蔵「福光屋」が手がける人気銘柄。
「粋」をコンセプトに鋭いキレ味をもつ個性豊かな味わいで、全国の日本酒ファンに愛されています。
名前の由来は、江戸時代、加賀藩江戸屋敷お抱えの大名火消し「加賀鳶」たち。
火消しの技と勇ましさは天下一品、雲に雷を染め抜いた長半纏と合紋の革羽織を身にまとい、鳶口を持ったその様は賑々しくも粋な集団として、江戸八百八町の人気を一身にさらっていました。
その魂を酒に宿したのがこの銘柄です。
そしてこの加賀鳶の中でも、最高位シリーズとして知られるのが「いかづち」。
加賀鳶の長半纏に染め抜かれていた図柄「雲に雷(いかづち)」から名付けられた、鮮烈で心に響く余韻が特徴の逸品です。
400年の歴史が生んだ、新たな”いかづち”
2024年、加賀鳶シリーズに新たな2本が加わりました。
純米大吟醸原酒「いかづち オーガニック」
まずご紹介するのは、有機栽培米「山田錦」を使用した山廃仕込の純米大吟醸原酒「いかづち オーガニック」。
兵庫県多可町中区坂本産の有機栽培米の中から、大粒で最上質の穂先米のみを厳選。
精米歩合40%まで丹精込めて磨き上げた贅沢な一本です。
健やかな酒米と山廃造りの妙によって引き出された穏やかな吟醸香と、豊かにふくらむ旨味が特徴。
鰹のタタキやブリ、マグロなど赤身の刺身、蟹の甲羅焼といった力強い料理との相性が抜群です。
純米大吟醸原酒「いかづち 一閃(いっせん)」
そしてもう一本は「加賀鳶」として初の精米歩合35%を実現した「いかづち 一閃(いっせん)」。
こちらも酒米の最高峰・山田錦100%を使用し、クラフトマンシップの粋を集結させた極上の一本。
「一閃」という名は、鋭く光ることを意味します。
繊細で優美な吟醸香、スムースなタッチと清らかな味わいが特徴。
鯛のカルパッチョやトマトとモッツアレラチーズのカプレーゼなど、軽めの前菜との相性が抜群です。
加賀鳶が伝えたい「本物の酒」の姿
この2本には、ただの新作以上の意味があります。
それは「本物の酒とは何か?」という問いへの、福光屋からのひとつの答え。
たとえば、化学的な添加物に頼らず、米・水・麹だけで造る”純米蔵”としての矜持。
たとえば、仕込み水は霊峰白山から100年以上の時をかけて酒蔵の地下150メートルに辿り着く天然水「百年水」。
たとえば、契約栽培した酒米の最高峰「山田錦」を100%使用する徹底ぶり。
そんな姿勢が、この「いかづち」に凝縮されています。
派手さではなく、深みと余韻で勝負する。
その一滴一滴が、400年という時の重みを語っているのです。
どんな人におすすめ?
この新作「いかづち」シリーズは、日本酒をもっと深く知りたい初心者の方、特別な贈り物を探している人(ギフトにも最適)、落ち着いた時間をゆっくり味わいたい大人の方、和食や洋食とのペアリングを楽しみたいグルメ好きの方に、特におすすめです。
特に「オーガニック」は山廃仕込ならではの豊かな旨味があるため、力強い料理と合わせて楽しむのにぴったり。
一方「一閃」は、繊細で優美な味わいを生かして、記念日や特別な日の前菜と共に味わいたい一本です。
まとめ: 400年の物語を、あなたの一杯に。
日本酒は、ただの飲み物ではありません。
それは、人と土地と時間が織りなす、物語の結晶です。
「いかづち」は、まさにその象徴。
加賀百万石の美意識と、福光屋の職人たちの情熱が注がれた、奇跡のような一滴です。
もし、あなたが「何気ない一杯」ではなく「記憶に残る一杯」を求めているなら、ぜひこの「いかづち」を、手に取ってみてください。
400年の歴史を超えた味が、きっとあなたの心にも、静かに雷鳴を響かせてくれるはずです。
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