「今夜は、物語を飲みに行きませんか?」
そう誘われたら、あなたはちょっと驚くかもしれません。
でも、そんな不思議な夜が本当にあるんです。
12月初旬、肌を刺す風が街を歩く頃、「八剣伝」の暖簾をくぐると、そこには静かに佇む八本の日本酒が。
どれもが凛として、まるで自身の役割を心得ているかのよう。
彼らの名は「八犬伝」。
そう、あの江戸時代の大河ロマン『南総里見八犬伝』から生まれた、八つの徳を宿す銘酒たちなのです。
一杯に宿る、八つの魂
『南総里見八犬伝』は、江戸後期の作家・滝沢馬琴が28年かけて書き上げた超大作。
仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌という八つの徳目を象徴する8人の若者が、運命に導かれながら出会い、共に戦う物語です。
その世界観を、日本酒で再現したらどうなるか?
答えは、千葉県の小泉酒造による奇跡のラインナップ。
「義の酒」「智の酒」とまるで八人の剣士が徳を背負って登場するように、それぞれの酒が風味と志をたずさえて、グラスの中に現れるのです。
たとえば「仁」を担う純米吟醸 きみさらずは、純米のコクと旨味が調和したフルーティな味わい。
「義」の純米吟醸 東魁 粒すけは、千葉県オリジナル米「粒すけ」を使用した汎用性の高い食中酒。
そして「孝」を表す純米酒 東魁は、どっしりとしたコクがありながら、飲み飽きしない旨口。
それぞれの徳を感じさせる味わいが、じんわりと心に染み入ります。
居酒屋が”舞台”になる夜
この粋な企画を仕掛けたのは、焼き鳥居酒屋チェーン「八剣伝」。
創業40周年を迎えた今、自らの”剣”と”犬”の名を重ね「八犬伝」と手を結びました。
直営店で提供されるこの銘酒たちは、通常のメニューとは一線を画す存在。店内で供されるのは、館山市立博物館所蔵の錦絵をラベルにあしらった八本の酒。
それぞれが静かに語りかけてくるようです。
たとえば、仕事に疲れた夜。
「信」の特別純米 東魁をひとくち口に含んで、ふと”信じること”の重みを思い出す。
誰かとすれ違った帰り道には「悌」の原酒 八犬伝がそっと背中を撫でてくれる。
この日本酒たちは、ただ酔うためのものではありません。
あなたの心と静かに対話し、明日を照らす灯になってくれるのです。
日本酒で”物語”を纏うという体験
今の時代、手軽に飲める酒はいくらでもあります。
でも「意味のある酒」は、そう多くはありません。
この「八犬伝」は、まさに”物語を纏った酒”。
古典と現代、文学と酒、文化と日常、その全てを橋渡しする一杯が、居酒屋の一角にそっと置かれているのです。
これは、ただの飲み比べではありません。
あなたの人生に、小さな物語を添えてくれる”演出”です。
最後に──あなたの”徳”はどの酒?
「今の自分に一番近い徳は、どれだろう?」
そんな問いかけを胸に、一杯ずつゆっくりと味わう時間は、まるで自分自身を読み返す読書のよう。
仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌。
きっとその中に、あなたの今を映す一杯があるはず。
この冬「八剣伝」直営14店舗で出会える”八犬伝の酒たち”。
数量限定だからこそ、一期一会のような価値があります。
物語を飲む夜を、あなたも体験してみませんか?
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