焼きとりの町・久留米に灯る「宵火（よいび）」という名のぬくもり

「焼きとりに合う酒、ありますか？」

居酒屋のカウンターで、ふと隣の席から聞こえてきたそのひと言。
それは、日々の疲れを癒すために「焼きとり」と「酒」という最強コンビを求める、私たちの小さな願いなのかもしれません。

そんな願いに真正面から応えてくれるお酒が、福岡県久留米市に誕生しました。
その名は「宵火（よいび）」──まるで夕暮れに灯るあたたかな焚き火のように、心にじんわりと染み入る一本です。

この「宵火」は、令和7年3月に「久留米焼きとり」が文化庁の「100 年フード」に認定されたことを記念して開発されました。

久留米焼きとりの”濃さ”に寄り添うために生まれた酒

「久留米焼きとり」と聞いて、ピンとくる方は九州通か、地元愛の深い方でしょう。

実は久留米市は、人口10万人あたりの焼きとり店舗数が全国トップクラスの”焼きとりの町”。
豚バラ、ダルム（腸）、とり皮、つくね──どれも味付けがしっかりしていて、食べ応え抜群。
その個性的で濃厚な味わいは、普通のお酒では少し役不足になることもあるのです。

そこで「久留米焼きとりと本気で向き合った酒をつくろう」と立ち上がった市内企業が連携。
英国・マスター・オブ・ワイン（MW）の資格を持つ専門家を久留米に招き、実際に久留米焼きとりを複数店舗で体験していただいた上で、味わいの構成・温度帯・酒質設計に関するアドバイスを受けながら、国際的な視点からも「焼きとりと日本酒のマリアージュ」を科学的かつ感性的に追求し、ついに完成したのが「宵火」でした。

「宵火」が灯す、焼きとり時間の新しい風景

「宵火」は、アルコール度数15度の純米吟醸酒。
炭火の香ばしさ、甘辛いタレ、旨味の詰まった塩焼き、ジューシーな鶏の旨味に寄り添う「旨味・酸味・余韻」が絶妙に設計されています。
キレがよく、焼きとりの脂やタレの甘みをサッと洗い流し、次の一口をまた楽しめる──まさに”焼きとりのために設計された酒”なのです。

常温やぬる燗でも楽しめる「食中酒」としての完成度も高く、地元久留米産の酒米・水・技術にこだわった地酒としての誇りも感じられます。

ネーミングの「宵火」には、夕暮れに灯る焚き火のように、やさしく、穏やかに人を癒したいという思いが込められています。
瓶のラベルもまた、シンプルながらぬくもりを感じさせるデザイン。
手に取った瞬間から、ほっとする。
そんな空気感が漂います。

地元の味を、全国へ。そして世界へ。

今後は、7月9日から久留米市内の焼きとり店約50店舗で「宵火」とともに焼きとりを楽しめるようになります。
さらに、久留米の魅力を全国や海外にも発信していくプロジェクトもスタート。
「宵火」は、単なる新商品ではなく”まちの物語”を灯す存在でもあるのです。

最後に──今夜、あなたの食卓にも「宵火」を

私たちの忙しい日常の中で、ふと立ち止まって味わう一杯。
それが、どこか懐かしく、やさしく心をほどいてくれる──「宵火」は、そんな時間をそっと後押ししてくれます。

焼きとりを頬張りながら、いつもより少しゆっくりと過ごす夜。
その横に「宵火」が灯っていたなら、きっとそれは、かけがえのない時間になるでしょう。