もし”雪国の一杯”が、世界を魅了する力を持っているとしたら— あなたは信じられるでしょうか?
新潟県津南町。
冬には3メートルを超える雪が積もる、日本有数の豪雪地帯。
その厳しくも美しい自然の中で、静かに酒を醸す人たちがいます。
彼らの手によって生まれた純米大吟醸が、今、世界の舞台で輝きを放ちました。
津南醸造株式会社が製造する日本酒「郷(GO)DINER」が、世界最大級の酒類コンペティション「IWC2025(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」SAKE 部門・純米大吟醸の部で、見事ゴールドメダルを受賞したのです。
それは、まるで雪解け水がゆっくり地層をくぐり抜け、何十年もかけて湧き水となるように—じっくりと磨かれ、育まれてきた味が、ついに世界に届いた瞬間でした。
郷 DINER とは?—雪国の恵みを感じる一杯
「郷(GO)DINER」は、津南醸造株式会社が手がける日本酒ブランドです。
地元の魚沼エリアの米を使用し、雪解け水を源とする軟水とともに丁寧に仕込まれた純米大吟醸酒。
芳醇な香りと繊細でやさしい味わいが特徴で、食中酒としての完成度が高いことが今回の受賞につながりました。
4合瓶のほかに、180 mlの「GO PINボトル」DINER、100ml の「GO POCKET」DINER というパウチタイプもあり、さまざまなシーンで楽しめるよう工夫されています。
世界が認めた、津南の一滴
今回ゴールドを受賞した品評会は、2025 年4月14日から17日にかけて、イギリス・ロンドンにて開催されました。
世界18カ国・70名の審査員によるブラインド・テイスティングにより評価され、日本酒部門では全10カテゴリーにわたって 387 社(うち海外が11社)から 1,476 銘柄(含む海外22銘柄)が出品されました。
この大会でゴールドを獲るというのは、まさに—「雪深い山里から、世界の乾杯に選ばれる」という奇跡のような出来事。
世界のソムリエや審査員たちが、津南の一滴に「Bravo!」と声を上げたのです。
「伝統」と「革新」のちょうどいい交差点
津南醸造株式会社は、新潟県中魚沼郡津南町に本社を構える酒蔵。
日本有数の豪雪地帯に位置し、標高 2,000m 級の山々から湧き出る天然水を仕込み水として活用しています。
地元産の酒米「五百万石」や「魚沼産コシヒカリ」を用いた酒造りは、自然との共生と革新を融合させたスタイルが特徴。
「Brew for Future〜共生する未来を醸造する〜」をブランドコンセプトに掲げています。
2025 年には、醸造技術を競う「越後流酒造技術選手権大会」において、新潟県知事賞(第1位)も受賞しました。
「郷土を守りながら、新しい価値を創る」—そんな強くしなやかな哲学が「郷 DINER」という銘柄にも息づいています。
郷土愛が世界を動かす
この受賞を受け、代表取締役の鈴木健吾は「日本を代表する酒の名産地・新潟の一蔵として、このような国際的な舞台で評価をいただけたことを大変光栄に思います。郷 DINER は、”日々の食事とともに楽しめる、モダンな日本酒”を目指して開発された銘柄であり、その想いが世界に伝わったことが何より嬉しいです」とコメントしています。
「地元を愛することが、世界とつながる力になる」ということ。
日本酒も料理も、土地の自然と文化と人の手があって初めて成り立つもの。
その背景を大切にしながら、ていねいに、まっすぐに。津南の人々は、それをやってのけたのです。
旅先を探しているあなたへ。
ぜひ、津南町へ足を運んでみてください。
雪深い土地で育まれた一杯が、あなたにとって「第二のふるさと」のような記憶になるかもしれません。
あなたの知らない”日本の原風景”が、ここにあります。
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