「物語を味わう日本酒」──小泉八雲を繋ぐ、熊本と島根のやさしい奇跡

ある春の日、ふと手に取った一杯の日本酒。
口に含んだ瞬間、静かに物語が広がるような、不思議な感覚に包まれたことはありませんか？

日本酒は、ただの飲み物ではありません。
土地の風土、作り手の想い、そして受け継がれてきた文化が溶け込んだ「飲む物語」です。
そんな日本酒の奥深さを、ひとつの特別なコラボ商品が美しく体現しています。

それが、熊本県と島根県の”文化と技術の橋渡し”によって生まれたコラボ日本酒。
明治の文豪・小泉八雲（ラフカディオ・ハーン）ゆかりの地である両県が、酒造りを通して新たな物語を紡ぎ出しました。

熊本と島根──文化をつなぐ2つの地

小泉八雲は、熊本で教壇に立ち、島根では『怪談』など日本文化に魅せられた作品を多く残しました。
彼の人生には「異文化を受け入れ、架け橋となる」というテーマが一貫しています。

この日本酒プロジェクトもまさにその精神を引き継いだもの。
熊本県酒造研究所が誇る「熊本酵母」と、島根県産の酒米「縁の舞」が出会い、両県の技術と想いが融合した日本酒が誕生しました。

熊本酵母とは、まろやかで上品な香りと、透明感のある旨みを引き出すことで全国の蔵元から高く評価されている酵母。
一方の縁の舞は、島根の神話の地・出雲の風土で育まれた酒米で、酒にまろやかさとコクをもたらします。

この二つが出会ったとき、日本酒はひとつの”物語”へと昇華しました。

たとえば、それはまるで—穏やかな月夜に、異国の詩人と神話の語り部が囲炉裏を囲んで語り合うような—そんな静けさと深さが、この一杯には宿っています。

このコラボ酒を実際に仕込んだのは、島根県松江市の「米田酒造」。
「豊の秋」という銘柄で知られ「良い酒を、正直に。」という信念を守り続けています。

米田酒造の酒は、どこか包み込むようなやさしさがあるのが特徴。
そこに熊本酵母が加わることで、まるで”二人で奏でるピアノの連弾”のようなハーモニーが完成しました。

このコラボ日本酒「豊の秋純米吟醸思ひ出のへるん」は、4月1日から数量限定で販売されます。
春の訪れとともに、一年でいちばんやさしい風が吹くこの季節に、小泉八雲が愛した熊本と島根を”味わって”みてはいかがでしょうか。

地元の酒屋や米田酒造オンラインサイト（https://shop.toyonoaki.com/?pid=185863283）でも販売されます。
自分へのご褒美に、大切な人への贈り物に、心をほどくひとときに。
一杯の酒から、小さな旅がはじまります。

この日本酒は、単なる地方のコラボ商品ではありません。
それは、小泉八雲の眼差しを通して再発見する、日本という国の「奥ゆかしさ」と「やさしさ」の結晶です。

歴史と技術、そして物語を一杯に込めたこの酒は、スッキリとした飲み口とライチのような上品で繊細な吟醸香が特徴で、あなたの心にも静かに語りかけてくるはずです。

どうぞ、今夜はグラスを傾けながら、遠くの地に思いを馳せてみてください。
その酒が語る声に、耳をすませながら。