一杯の酒が、土を癒す「リジェネラティブ日本酒」という未来への乾杯

たとえば、こんな冬の夜。

しんと冷えた空気の中、湯気の立つお鍋を囲みながら、そっと口に運ぶ一杯の日本酒。
体の芯まで温まるその瞬間、私たちはつい忘れてしまいがちです。
この酒が、どこから来たのかを。

その米が、どんな土から生まれたのか。
その水が、どんな山を流れてきたのか。その酒をつくる人は、どんな想いで仕込んだのか。

その「来し方」に、初めて正面から光を当てた日本酒が、今まさに誕生しようとしています。

それが、パタゴニアプロビジョンズの「やまもり2025」。
日本で初めて「リジェネラティブ・オーガニック認証」を取得した日本酒です。

発売日は2024年12月11日。これは単なる”新しい日本酒”ではありません。
一杯を選ぶことで、自然も、社会も、そして未来も潤していく。
そんな新しい乾杯のかたちが、今ここから始まります。

「リジェネラティブ」って何? オーガニックの、その先へ。

「オーガニックなら知ってるけど、リジェネラティブって何?」そんな疑問を持つ方も多いと思います。

「リジェネラティブ(Regenerative)」とは、日本語で「再生的な」「回復させる」といった意味。
つまりリジェネラティブ農業とは、地球を癒す農業のことです。

たとえば、化学肥料を使わず、微生物の力で土壌を豊かにする。
単一作物ではなく、多様な生き物と共生する。環境だけでなく、農業に関わる人の労働環境にも配慮する。
これらすべてを満たす農法にのみ与えられるのが、リジェネラティブ・オーガニック認証です。

世界でも取得は難しく、厳格な基準をクリアする必要があります。
そして今、日本で初めて、この認証を受けたお米から日本酒が誕生したのです。

この挑戦に立ち上がったのは、福島県郡山市にある300年以上の歴史を持つ仁井田本家。
そしてそのパートナーとして共に歩んだのが、アウトドア企業パタゴニアの食品部門「パタゴニアプロビジョンズ」です。

仁井田本家18代目蔵元・杜氏の仁井田穏彦氏はこう語ります。

「常々抱いてきたのは『良い会社になりたい』との思い。困っている人がいたら助ける、ゴミが落ちていたら拾える、そこから始まると思っています。リジェネラティブ・オーガニック認証とは、環境的にも、経済的にも、人的にも、地域が必要とするあり方であり、それが地球の再生につながるのだと思っています」

その言葉のとおり「やまもり2025」は、ただ自然を守るための酒ではありません。
自然と一緒に生きていく酒なのです。

「やまもり2025」に使われている米は、仁井田本家が自社田で心を込めて育てた「雄町」。
麹米、掛け米ともにすべてリジェネラティブ・オーガニック認証米を100%使用し、自社山のスギの木桶で仕込まれています。

精米歩合85%、汲み出し四段仕込みにより、甘み、旨み、酸味のしっかりした味わい。
複雑で奥行きのある味わいは締まりのあるジューシーな印象で、柑橘系のやさしく爽やかな香り。
燗酒で木桶由来の酸を楽しめる自然酒です。

けれど、この酒の価値は「味」だけではありません。

あなたが「やまもり2025」を選ぶことは、再生型農業を支援すること、持続可能な労働と公正な取引を応援すること、そして地球と共に生きる未来への投票であることを意味します。
そう、一杯の酒が、世界を少しだけ良くする静かな革命になるのです。

「やまもり2025」は、どこか”今の時代”を映しているように思えます。

地球温暖化が進み、気候変動が日常になりつつある今。
私たちはもう「おいしい」や「便利」だけでは満たされない場所に来ているのかもしれません。

そんな時代に、この酒はこう語りかけてくるのです。
「あなたが今日選ぶ一杯が、100年後の土を変える」と。

その言葉が、きっと私たちの食卓を、心を、未来を少しだけ温かくしてくれる。

2024年12月11日。
「やまもり2025」は、その静かで大きな一歩を踏み出します。

それはただの新商品ではなく「飲むこと」が社会をよくするという新しい選択肢。

「今日飲む一杯が、未来の森を育てる」
そんな美しい循環に、あなたも加わってみませんか?

まずは、グラスを片手に。
未来に向かって、やさしい乾杯を。