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世界を酔わせた日本酒の秘密──『礼比』『百光』『深星』『弐光』がフランスで愛された理由

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パリの夕暮れ時。
セーヌ川沿いのレストランでは、いつものようにワインが注がれている—と思いきや、今注がれているのは透明な液体。
ワイングラスの中で、わずかに揺れるそれは、日本から届いた一杯の日本酒でした。

「この香り、まるでシルクのように繊細だ……」

そうつぶやいたフランス人ソムリエの目には、本気の驚きが宿っていました。

その酒の名は『礼比』『百光』『深星』『弐光』。『礼比』『百光』『深星』は 2025 年フランスの日本酒コンクール「Kura Master」でプラチナ賞を『弐光』は金賞を受賞した銘柄です。

今日は、その魅力とストーリーを、あなたと旅するように紐解いていきます。

フランスで生まれた「日本酒の品評会」──Kura Master とは?

Kura Master は、フランスのソムリエやトップシェフたちが審査員を務める、日本酒専門のコンクール。
特徴は、日本酒の”造り”ではなく”味”に焦点を当てている点です。

たとえばワインであれば、香りの立ち方、舌触り、料理との相性が問われますよね? 
Kura Master でも、それと同じ基準で日本酒が審査されます。

つまり、世界の舌で”おいしい”と感じられるかどうか。
これが「Kura Master プラチナ賞」の本質なのです。

世界を魅了した4本──礼比・百光・深星・弐光

礼比(RAIHI):一杯の中に宿る「静かな礼節」

飲んだ瞬間、喧騒がすっと引いて、心が静まる。
それが「礼比」の持つ魔法のような力です。

この酒は、京都の文化を体現したかのように、上品で控えめ。
まるで”相手を立てる”という日本独特の美徳を、酒というかたちで表現しているよう。

あるフランス人審査員は「こんなに穏やかな余韻を感じたのは初めてだ」とコメントしています。

百光(BYAKKO):一筋の光が走るような感動

「百光」は、目を閉じて飲めば、まるで朝の光が差し込む瞬間のような清らかさ。

パリのカフェテラスで、白いテーブルクロスの上に差し込む朝陽。
そのイメージと重なるのが、この酒の透明感と爽やかさです。

甘すぎず、ドライすぎず、計算し尽くされた香りと味わいの設計。
審査員の一人は「これは香水のように記憶に残る酒」と絶賛しました。

深星(SHINSEI):夜空の奥でひっそり輝く一滴

「深星」は、その名の通り、夜空の奥に光る深い星のような存在感。

ふくよかな旨みと、やさしい甘みが舌の上で静かにほどけていく……その感覚は、都会の灯りを離れ、満天の星を見上げたときの安堵に似ています。

この酒は、フレンチの濃厚なクリームソースとも抜群に合うことから、現地の料理人たちにも高評価を受けました。

弐光(NIKO):心と心を結ぶ金賞の一杯

金賞を受賞した「弐光」は、ブランドのセカンドフラッグシップとして「二つの想いが重なり合い、絆を結ぶ」という想いが込められた銘柄。

大切な人への感謝や出会いの祝福など、心と心が結ばれる特別な瞬間にふさわしい”結びの光”を表現する日本酒として、フランスの審査員たちにも深い印象を残しました。

日本酒は”共通言語”になれる

『礼比』『百光』『深星』『弐光』は、日本の風土と心を表現した酒です。

これらの受賞は特に意義深いものです。
というのも、2025 年の Kura Master には合計 1,083 点もの出品酒が集まり、その中でプラチナ賞はわずか 123 点、金賞は 235 点という狭き門だったからです。
さらに、日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」としては5年連続での受賞という快挙でもあります。

でも、フランスの人々がそれを「美しい」と感じたということは、味覚や文化を越えて”人の感性”に訴えかける力があったということ。

言葉が違っても、酒が美味しければ笑い合える。
そんな”共通言語”としての日本酒が、いま世界でじわじわと広がり始めています。

最後に──次の一杯が、誰かの記憶になる

ふだん飲んでいる日本酒も、こんなふうに海を渡って誰かの心を動かしているかもしれない。
そう思うと、その一滴が、まるで手紙のように感じられてきます。

次に日本酒を飲むとき、ただ味わうだけでなく—「この酒が、世界のどこかで誰かを笑顔にしているかもしれない」 
そんな小さな想像をしてみてください。

きっと、グラスの中の世界が少し広く、そして、少しやさしく感じられるはずです。

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