たった一口の飲み物が、心に深く残ることってありませんか?
それはまるで、遠い場所の風景がふっと目の前に浮かぶような感覚。
懐かしい記憶に手を伸ばすような、そんな不思議な瞬間。
ある日本酒が、そんな”心に響く一杯”として、世界に認められました。
その名は「NIKITATSU2024 純米大吟醸酒」。
愛媛・道後の地で生まれたこの酒が、世界最大級の日本酒コンペ「SAKE COMPETITION 2025」において、ブロンズ賞を受賞したのです。
温泉街で育まれた、静かな情熱
「NIKITATSU2024」が生まれたのは、1300 年の歴史を持つ温泉地・道後温泉。
夏目漱石の『坊っちゃん』の舞台にもなったこの地には、時間がゆっくりと流れるような、穏やかで懐の深い空気があります。
その地で 1895 年創業、130 年近く続く蔵元「水口酒造」が、愛媛県産の酒米「しずく媛」と清らかな水、そして伝統と革新を併せ持つ杜氏の技で丁寧に仕上げたのが「NIKITATSU2024」。
米を精米歩合 30% まで磨き抜いた純米大吟醸酒は、まさに”手間ひま”と”想い”が詰まった芸術品です。
「大吟醸酒は、職人の魂を音楽にしたようなもの」
ひとくち含めば、リンゴのような透明感ある香りが鼻に抜け、やわらかな甘みと酸味が調和して舌を包み込みます。
まるで、静かな夜にひとり聴くクラシックのように、深く染みわたる余韻が広がるのです。
世界が評価した、香りの旅
「SAKE COMPETITION」は、日本国内外から集まった 1,163 点を”ブラインド”で評価する、もっともフェアで厳格な日本酒コンペのひとつ。
味、香り、後味、そして全体の調和――それらすべてが審査され、純米大吟醸部門 341 点の出品中、わずか32点しか表彰されません。
そんな中で「NIKITATSU2024」がブロンズ賞を獲得したという事実は、単なる評価ではなく、「この酒には、国境を越えて心を動かす力がある」という証です。
まるで異国の旅人が、初めて道後の風に触れたときのような――そんな感動が、一杯の中に宿っていたのかもしれません。
日本酒は、未来への”文化”でもある
日本酒は、単なる嗜好品ではありません。
田んぼを潤す水、米を育てる人、仕込みを重ねる蔵人たち。
彼らの手を通して、自然と人の歴史が一滴に凝縮される――それが日本酒です。
「NIKITATSU2024」は、ただの酒ではありません。
愛媛という地域の誇り、道後という土地の記憶、そして日本文化の奥深さを未来へつなぐ”語り手”のような存在です。
今回の受賞は、その語りが、ついに世界にも届いた瞬間でした。
最後に――あなたの五感で確かめてほしい
「NIKITATSU2024」は、今、この瞬間にもあなたのもとへ届きます。
もしあなたが「日本酒ってむずかしそう…」と思っているなら、ぜひこの一本から始めてみてください。
きっと、香りを嗅いだ瞬間に世界が変わる。舌に乗せたその味わいが、遠くの物語を語りかけてくる。
そしてその一杯が、あなたと日本酒の新しい物語の、はじまりになるかもしれません。
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