「ただの日本酒じゃない。これは、歴史と誇りを味わう一杯だ」
そんな言葉がふと浮かぶような、新しい日本酒が生まれました。
その名は『直政 NAOMASA(なおまさ)』。
この名にピンと来た方もいらっしゃるかもしれません。
そう、あの戦国時代の名将・井伊直政の名を冠したお酒です。
でも、なぜ今、井伊直政なのでしょうか。
そして、なぜ日本酒なのでしょうか。
今回は、ある蔵元の情熱が導いた、この特別な日本酒誕生の裏側を紐解きながら「歴史を飲む」という新しい体験の魅力をご紹介します。
偶然ではなく、必然だった出会い――「武田菱」と蔵元の深い縁
滋賀県愛知郡愛荘町。かつて井伊家が治めた彦根の近くにあるこの地にある、明治2年(1869年)創業、156年の歴史を持つ老舗酒蔵「愛知酒造」。
この酒蔵が『直政NAOMASA』を世に送り出すきっかけとなったのは、意外な「家紋」でした。
ある日、5代目蔵元の中村哲男さんがふと気づいたのです。
自分たちの中村家に代々受け継がれてきた家紋。
その形が「武田菱(たけだびし)」であることに。
武田菱。それは、戦国最強の騎馬軍団を率いた武田信玄の家紋として有名ですが、実は井伊直政とも深い縁があります。
直政は徳川四天王のひとりとして活躍した武将であり、徳川家康の命で、武田家の遺臣をまとめあげた人物です。
そして、彼自身もその誇りを継ぐように、武田の赤備え(あかぞなえ)を引き継いだのでした。
つまりこの「武田菱」に似た印が、彦根藩初代藩主・井伊直政と、山路酒造の間に、不思議な縁をつないだのです。
日本酒に込めた「直政スピリット」とは?
では『直政NAOMASA』とは、どんなお酒なのでしょうか。
それは、ただ歴史上の人物の名前を冠しただけの記念品ではありません。
むしろ、井伊直政の「生き方」そのものを、日本酒として表現しようとする挑戦なのです。
直政の人生は、決して順風満帆ではありませんでした。
幼少期は今で言う「ひとり親家庭」に育ち、逆境を跳ねのけて家康の信頼を勝ち取り、わずか20代で徳川軍の重臣となった男です。
荒波を力強く乗り越えていった直政の姿は、まさに「情熱」「誠実」「覚悟」を体現するような人物像と言えます。
山路酒造が造り上げた『直政NAOMASA』には、その精神が込められています。
ラベルには、井伊家の家紋である「井桁に橘紋(いげたにたちばなもん)」が描かれ、堂々たる佇まいです。
中身は、しっかりとした米の旨みと、きりっと引き締まった後味が特徴。
まさに、直政のような「芯の通った一本」です。
「歴史を味わう」という新しい愉しみ方
普段、歴史にあまり興味がないという方にも、この日本酒はちょっと特別かもしれません。
たとえば、ラベルを眺めながら直政のエピソードに思いを馳せてみたり、戦国時代のドラマを観ながら一献を傾けてみたり。
飲むという行為が、歴史とつながる「小さな旅」になるのです。
そして何より『直政NAOMASA』は贈り物にもぴったりです。
歴史好きな方へはもちろん「人生を戦い抜いてきた人」にも「これから勝負に出る人」にも。
エールの気持ちを込めて贈りたくなる、そんな1本です。
まとめ:「一杯の酒に、400年のドラマを」
『直政NAOMASA』は、ただの地酒ではありません。
それは、400年の時を越えてよみがえった、井伊直政の魂の記憶。
そしてそれを現代に伝えようとした、小さな蔵元の静かなる挑戦の結晶です。
日本酒を通して、私たちは歴史と出会い、心を熱くすることができます。
「酒は百薬の長」とは言いますが、このお酒はきっと「心を奮い立たせる一杯」として、あなたの記憶に残るはずです。
今夜、あなたも井伊直政とともに、静かに盃を交わしてみませんか。
コメント