2025年3月11日、OpenAI は企業向けにAIエージェント開発を支援する新ツール「Responses API」を発表しました。
このツールの登場により、企業はより簡単にカスタマイズ可能なAIエージェントを開発し、導入することが可能になります。
これまでAIエージェントを構築するには高度な専門知識が必要でしたが、今回の新ツールはそのハードルを下げ、より多くの企業がAIを活用できる環境を整えることが可能になります。
新ツールの概要
今回発表された Responses API は、企業がウェブ検索の実行、社内ファイルのスキャン、ウェブサイトのナビゲーションを行うカスタムAIエージェントを開発できるようにするものです。
これにより、OpenAI の既存の Operator 製品と同様の機能を持つAIエージェントを構築できます。
企業は独自のデータを活用してカスタムAIをトレーニングできるため、より精度の高いソリューションを実現できます。
この新 API の一部として、ChatGPT の検索ツールと同じAIモデル(GPT-4o search と GPT-4o mini search)を活用できるようになります。
また、Computer-Using Agent(CUA)モデルも提供され、データ入力やアプリケーションのワークフローなどのタスクを自動化することができます。
さらに、OpenAI はオープンソースツールキット「Agents SDK」も同時に発表し、開発者が内部システムとモデルを統合し、AIエージェントの活動を監視するための無料ツールを提供しています。
企業にとってのメリット
この新ツールがもたらす大きなメリットは、企業が自社のニーズに合わせたAIエージェントを開発できることです。
Responses API は現在の Assistants API の後継として位置づけられており(Assistants APIは2026年前半に廃止予定)、より高度な機能を備えています。
GPT-4o search と GPT-4o mini search モデルは事実の正確性が高く、OpenAI の SimpleQA ベンチマークでは GPT-4o が 90%、GPT-4o mini search が 88% のスコアを記録しています。
これは最近リリースされた GPT-4.5 の 63% と比較して大幅に高い数値です。
さらに、企業は必要に応じて CUA モデルを自社のシステム上でローカルに実行することもできます。
これにより、セキュリティを保ちながら高度な自動化を実現できる点も魅力です。
今後の展望
OpenAI の API 製品責任者である Olivier Godement は「AIエージェントはAIの最も影響力のあるアプリケーションになる」と述べており、OpenAI CEO の Sam Altman も2025年はAIエージェントが職場に進出する年になると主張しています。
ただし、現時点ではいくつかの技術的課題も残っています。
GPT-4o search でも事実に関する質問の 10% は誤答となり、CUA モデルもオペレーティングシステム上のタスク自動化においてはまだ高い信頼性を持っていません。
OpenAI はこれらを初期段階のツールとして位置づけ、継続的な改善を約束しています。
まとめ
今回の OpenAI の新ツール Responses API と Agents SDK により、企業のAIエージェント導入はより実用的になりました。
企業はウェブ検索、ファイル検索、コンピュータ操作の自動化などの機能を持つAIエージェントを開発できるようになります。
技術的な課題はあるものの、AIエージェント技術の実用化に向けた重要な一歩となることでしょう。
AI技術がますます進化していく中で、OpenAI の動向には今後も注目が集まります。
2025年が本当に「AIエージェント元年」となるかどうかはまだ分かりませんが、OpenAI は派手なデモから実用的なツールへの移行を進めています。
参考:OpenAI launches new tools to help businesses build AI agents
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