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“AIのおまわりさん”誕生!ハッカーとの攻防戦で知っておくべき最新情報

AI

■ スマホが「助けてくれる存在」になる日

ある朝、スマホからこんな通知が届いたらどう思いますか?

「このアプリ、いつもと違う動きをしています。あなたのデータが狙われているかもしれません」

ちょっとドキッとしますよね。
でも同時に「守ってくれているんだ」とも思いませんか?

2025年4月、AI開発の最前線にいる OpenAI が、初めて「サイバーセキュリティ(=ネットの安全を守る分野)」のスタートアップに投資したというニュースが話題になりました。

その企業の名前は Adaptive Security(アダプティブ・セキュリティ)
まだ聞き慣れない名前かもしれませんが、実はこの会社「AIのおまわりさん」みたいな存在を目指しているんです。

■ OpenAI って、どんな会社?

まずは、OpenAI について少しだけおさらいしましょう。

「ChatGPT」って聞いたことありませんか?
あなたの質問に答えてくれる、まるで人のような会話ができるAIです。
これを作ったのが OpenAI という会社です。

OpenAI はこれまで、人の創造力や仕事を助ける「便利なAI」を中心に開発してきました。
でも今回は違います。

初めて”守るためのAI”に注目したんです。

■ なぜ「守る」ことが必要になってきたの?

最近は、AIを悪いことに使うケースも増えてきています。
CEO の声をそっくりに偽装したり、偽の領収書を作成したりすることも可能になりました。
まるで映画の中の話みたいですが、これはすでに現実に起きていることなんです。

だからこそ「AIで起きた問題は、AIで守る」という新しい発想が生まれました。
私たちの便利な暮らしを脅かす新しい脅威に対して、同じ技術を使って対抗していく──そんな取り組みが今、世界中で始まっているのです。

■ Adaptive Security って、なにがすごいの?

Adaptive Security は、AIを使った攻撃から企業を守るためのスタートアップです。

具体的には、AIで生成した「ハッキング」をシミュレーションし、社員がこうした脅威を見分けられるよう訓練するサービスを提供しています。
例えば、あなたが電話を取ると、技術責任者の声で認証コードを求めてくる—これは実際の責任者ではなく、Adaptive Security が生成した偽物の声なのです。

Adaptive Security のプラットフォームは電話だけでなく、テキストメッセージやメールもカバーし、企業のどの部分が最も脆弱かを評価しながら、スタッフにリスクを見分ける訓練を行います。

このスタートアップは、人間の従業員が不適切な行動(悪意のあるリンクをクリックするなど)を取るよう仕向ける「ソーシャルエンジニアリング」と呼ばれるハッキング手法に焦点を当てています。
こうした基本的なハッキングでも、2022 年には Axie Infinity という企業が開発者への偽の求人オファーにより6億ドル以上(約 900 億円)の損失を出すなど、大きな被害をもたらしています。

■ 未来のAIは、”便利”だけじゃない

AIと聞くと「仕事を効率化する」「動画をおすすめしてくれる」など、便利なイメージが先に浮かぶかもしれません。
確かにそうした側面は大きいでしょう。
しかし、テクノロジーが発展すればするほど、それを悪用する試みも同時に増えていきます。

そんな中で、これからは「安心・安全を守るAI」が私たちの日常に当たり前のように溶け込んでいくかもしれません。
Adaptive Security は 2023 年に設立され、現在すでに 100以上の顧客を抱えています。
顧客からの好評価が、OpenAI が投資するきっかけになったとも言われています。

この最新の資金調達(4300 万ドル、約 65億円)は、主にエンジニアの採用と製品開発、そして悪意のある攻撃者との「AIの軍拡競争」に追いつくために使われるとのことです。

■ おわりに:AIと、安心できる明日へ

スマホを使う、SNS でやりとりする、ネットで買い物をする。
どれも私たちの日常の一部になりました。
便利になった分、リスクも増えています。

だからこそ「見えないところで守ってくれるAI」がいることは、とても心強いことです。
複雑なテクノロジーの世界で、私たちの代わりに見張り、危険を知らせてくれる。
そんな頼れる存在が増えていくことで、デジタル社会はもっと安心できる場所になっていくはずです。

OpenAI の今回の投資は、そんな“未来の安心”へのプレゼントかもしれません。
テクノロジーの発展と安全性は、車の両輪のように進んでいくべきもの。
その理想を実現する一歩が、今踏み出されたのです。

ちなみに、Adaptive Security の CEO ブライアン・ロング氏は、ハッカーに声をクローンされることを心配する企業の社員に対して、シンプルなアドバイスをしています。
「ボイスメールを削除しましょう」と。

そしてこの記事を読んだあなたも、ちょっとだけ未来のことに詳しくなりました。
その知識が、きっと誰かの助けになるはずです。
デジタル時代を安心して生きていくために、私たち一人ひとりの意識も大切な鍵となるのですから。

参考:OpenAI just made its first cybersecurity investment

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