「AIが数学やプログラミングをマスターする未来」が、すでに現実になりつつあります。
LGが開発した次世代AI『EXAONE Deep』は、科学・数学・プログラミングに特化した高度な推論能力を持ち、研究者や開発者の強力なパートナーとして注目を集めています。
すでに実際の研究や開発現場で活用が進んでおり、その精度の高さが評価されています。
本記事では、EXAONE Deep の特徴や強み、実際の性能指標、そして今後の可能性について詳しく解説します。
EXAONE Deep とは? AIが専門分野を深く理解する時代
LGが開発した EXAONE Deep は、複雑な問題解決に特化した推論AIモデルです。
特に数学・科学・プログラミングといった高度な技術分野において、単なる情報処理を超えた深い理解力を持つ点が特徴です。
現在、推論モデルの開発に取り組んでいる組織は世界的にも少数であり、EXAONE Deep はこれらの先端モデルと直接競合できる高い推論能力を備えています。
EXAONE Deep が数学・科学・プログラミングに強い理由
EXAONE Deep の強みは、そのサイズに対して極めて高い推論能力を持つ点にあります。
このAIは主要な数学・科学・プログラミングのベンチマークで同サイズの競合モデルを大きく上回る成績を残しています。
例えば、32B モデルは自身のサイズが競合モデルのわずか 5% にもかかわらず、厳しい数学ベンチマークで優れた性能を示しました。
特に数学分野では、EXAONE Deep 32B モデルは一般数学能力テストで 94.5点、2024年米国数学招待試験(AIME)で 90.0点を獲得し、はるかに大きな 671Bモデルである DeepSeek-R1 と同等の性能を 2025年の AIME で発揮しました。
また、より小型の 7.8B と 2.4B モデルも、それぞれの軽量モデルやオンデバイスモデルのカテゴリで主要ベンチマークのトップを獲得しています。
科学・コーディング分野での卓越した性能
EXAONE Deep は科学的推論とソフトウェアコーディングの分野でも優れた能力を示しています。
32B モデルは博士レベルの物理学、化学、生物学の問題解決能力を評価する GPQA Diamond テストで 66.1 点を、コーディング能力を測定する LiveCodeBench では 59.5 点を獲得しました。
7.8B と 2.4B モデルも同様に優れた性能を示し、それぞれのサイズカテゴリで GPQA Diamond と LiveCodeBench のベンチマークで1位を獲得しています。
これは以前に Hugging Face の LLM Readerboard のエッジ部門でトップを獲得した EXAONE 3.5 2.4B モデルの成功を基盤としています。
幅広い一般知識の強化
専門的な推論能力に加えて、EXAONE Deep は一般知識の理解においても向上した性能を示しています。
32B モデルは MMLU(Massive Multitask Language Understanding)ベンチマークで 83.0 点を獲得し、韓国国内モデルでトップの性能を示しました。
これは EXAONE Deep の推論能力向上が特定の分野を超えて、様々な主題の幅広い理解に貢献していることを示しています。
国際的な評価と認知
EXAONE Deep 32B モデルの能力は、すでに国際的に認められています。
発表後まもなく、米国の非営利研究機関 Epoch AI による「注目すべきAIモデル」リストに掲載されました。
このリストにはその前身である EXAONE 3.5 も含まれており、過去2年間でこの権威あるリストに掲載された唯一の韓国企業となっています。
まとめ:EXAONE Deep が切り拓く新時代
LG AI ResearchのEXAONE Deep は、数学・科学・プログラミングに特化した高度な推論AIであり、同サイズの競合モデルを大きく上回る性能を示しています。
LG AI Research は、EXAONE Deep の推論能力の進歩は、AIがますます複雑な問題に取り組み、継続的な研究と革新を通じて人間の生活を豊かで簡単にすることに貢献する未来に向けた飛躍を表していると考えています。
AIの推論能力が進化する中で、EXAONE Deep のような高度なAIがどのように社会を変えていくのか、これからの展開を見守るとともに、私たちがどのように活用できるのかを考えていきましょう。
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