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冷凍マグロの中身、12秒で見透かす!? 静岡発の革新技術が食の未来を変える

AI

「おいしさ」って、誰が決めてるんだろう?

スーパーでパックに入ったお刺身を選ぶとき「脂がのってておいしそう」と感じた経験、ありますよね。
でも、実際に食べてみたら「思ったより淡白だったなぁ」とがっかりしたことも……。

私たちは見た目やラベルの情報で「おいしさ」を想像していますが、その裏側では、実はとても難しい”見えない品質”をどうやって測るか、という課題がずっとありました。

そんな中「まぐろの脂のり」を超音波とAIで可視化する—そんな未来的な技術が、今、現実になりました。

世界初! 超音波×AIで「脂のり」を見抜く装置が登場

このたび、ソノファイ株式会社が販売開始予定なのは、世界で初めて、冷凍ビンチョウマグロの脂のりをAIで分析する装置「ソノファイT-01」
その心臓部には、富士通が開発した超音波解析AI技術が搭載されています。
この技術は富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術として開発されたものです。

簡単に言えば「見ただけではわからないマグロの中身」を、超音波を使って”音の手がかり”から見極めるというもの。
さらに、それをAIが瞬時に解析し「このマグロ、脂がしっかりのってます!」と判断してくれるのです。

たとえるなら、魚の健康診断をするお医者さんがAIになったようなもの
しかも、冷凍状態のままで検査ができるというのも画期的です。

なぜ今、この技術が必要なのか?

ビンチョウマグロは、回転寿司などで人気の「びんちょうまぐろ」としてよく使われています。
だけど、1本ずつ脂のりにバラつきがあるため、仕入れる側や加工する現場では「実際に切ってみないとわからない」という悩みがありました。

従来は「尾切り選別」と呼ばれる方法で、冷凍マグロの尾の部分を切り出して解凍し、職人が目視で脂のりを確認していました。
この作業は多くの人手と時間がかかり、作業者によって判定にばらつきが生じたり、熟練した職人が不足していたりする課題がありました。

この新しい装置があれば—
✔ マグロを解凍しなくても脂のりをチェックできる
✔ 脂のりを数値で示せるので、品質の見える化が可能
✔ 1本あたり最短12秒程度で検査でき、従来より最大 80% の時間短縮が可能
✔ 操作に必要な人員は1名程度で、従来の複数人作業から大幅に効率化

つまり、おいしさをより正確に、効率よく届けるための革命が始まったというわけです。

食の未来をAIが支える時代へ

「技術」というと、どこか遠い世界の話のように感じるかもしれません。
でもこの装置は、まさに私たちの食卓に直結するリアルな変化をもたらします。

生産者にとっては「安心して売れる」未来を、加工業者には「無駄なく使い切る」選択肢を、そして私たち消費者には「本当においしいものを選べる」喜びを—。

この一つの技術の裏には、富士通が長年取り組んできたAI・超音波解析の知見と、食の現場で奮闘する人々の声が詰まっています。
この装置の開発には、ソノファイ株式会社、富士通株式会社、株式会社イシダテック、そして東海大学[静岡キャンパス]が共同で取り組み、東洋冷蔵株式会社での実証実験も行われました。

2025 年6月に国内で販売開始され、順次グローバルにも展開される予定です。
また、現在はビンチョウマグロの脂のり検査のみですが、今後は鮮度や硬さ、粘り気といった身質の判定機能も追加され、対応魚種も拡大していく予定です。

最後に:おいしさを科学するということ

「見た目だけでは分からない価値を、ちゃんと伝える」
それは、魚だけでなく、私たち人間にも通じる大事な視点かもしれません。

この装置が広まっていくことで、私たちはより安心で、おいしくて、納得できる食体験を得ることができるでしょう。
そしてそれは、テクノロジーが”やさしく”人に寄り添う未来の一歩でもあります。

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